ソフトモヒカンの頃 ⁄ 2026年8月14日 金曜日
アキはかつて職場の中の理容室に、介助パートさんの同行で2~3週間に一回通っていた。短髪を、まめに整えていたのだ。
2011年、夏の暑さから、襟足の刈り上げ方が激しくなってきた。
「ソフトモヒカンっていうらしいよ」
アキがニヤッとする。
翌年の夏には、上に残す部分もどんどん短くなった。
残す部分の後方が丸くなり、後ろから見てV字になった時には、思わず笑った。髪が少し伸びると、頭の上にナマズを飼っているようだった。
その次の年、家でもできそうだと、アキがネットで注文したバリカンで、わたしが刈ることになる。上はバリカンの2ミリで、横と後ろはT字カミソリで剃った。作業自体は難しくないのだが、後片付けが少々面倒だった。
2年ほどのソフトモヒカン期を経て、その夏にはついに全部剃ることになった。これは猛暑で寝込んでしまうすぐ前のことだ。
毎朝、電動シェーバーで髭を剃ってから、頭も剃ることになる。
剃髪頭を毎日、濡れタオルで拭くことで清潔が保っていた。あとは、週1回の入浴サービスで洗髪していただけばいい。
理髪店通いと洗面所での洗髪は要らなくなった。電動シェーバーのお掃除が増えたけれど。
アキは夏場の寝床でアイスノンを愛用していたが、この頭だと冷たさがよく感じられるようで、
「たまらないねェ」
と満面に笑みを浮かべていた。