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わたしの“ささやき” 2023年

主な介助をしていた小濱真実子が、アキこと夫・小濱洋央のブログ『Sasayaki diary』『ささやき』などのこぼれ話や思い出話を綴ります。 (テーマ別 /  2023年 /  2024年 /  2025年 /  2026年

【小濱洋央の文章】

*お知らせ* 2025年 5月、妻よりご挨拶 を更新いたしました。

甘いものが本当に好きでした ⁄ 2023年12月8日 金曜日

※ “金米糖,金蛭糖,糖花などとも書く。” 世界大百科事典(平凡社)



  好きなのでございます、金平糖が。

ボクは甘いものに目がないもので、

金平糖から離れられません。

いつも携帯しているのでございます。

飴やチョコレートも大好きですが、

暑くなると溶けてしまいますので

夏場を考えると常時携帯するには不向きです。

夏も持ち歩いてべとつかないのは

金平糖ぐらいしか知りません

(もしかすると、M&M は大丈夫かな・・・)。



  金平糖の甘さを気に入っているのはもちろんですが、

あの形もたまりません。

見飽きることがないのでございます。

主成分であるショ糖(砂糖)を溶かした蜜と、芯になる粒

(昔はケシの実やゴマ、今はグラニュー糖の小さな粒)を

鍋に入れて転がしているとあの形状になっていくというのが、

これまたたまらなく面白いのでございます。

砂糖が、あの形状になりたがっているということなのですね。



“こんぺいとうができるまで”

(春日井製菓)



  金平糖への冒涜なのかもしれませんけれども、

ボクは金平糖をお湯に溶かして、

きれいな色の付いた金平糖湯にして飲むのも大好きです。

美味です。でもまあ、砂糖湯なわけですけど。



  金平糖はショ糖が結晶化したものですので

ショ糖分子どうしの結合が強いのです。

ですから、砂糖(ショ糖)の粉のままのものと

比べたら簡単には溶けてはくれませんが、

頑張ってかき混ぜて待っていますと

きれいに溶けてしまうのでございます。



  生成時に水分を除いていることもありますし、

夏の暑さで溶けにくいのも

こうした理由でしょう。



  ボクの好きな金平糖について、

これから少しずつ書いていけたらなあ、

と思っているところでございます。

 アキが会議などに出席する出張に、 わたしも介助のために大抵くっついて行った。 金平糖好きは、 出張先の京都で金平糖の専門店と出合ったのも 大きかったんだと思う。 まあ、そこでそんなに買い込んだわけではなく、 普段はお手軽なものを愛用していた。

 アキは、よく言われる「甘さ控えめ」を 敵視していた。 車いすで入りにくい店も残念ながら少なくないが、 お菓子を買う時には店員さんに 「一番甘いのはどれですか?」 と尋ねる。 戸惑いながら店員さんが教えてくれる「一番甘いの」を もちろん買った。

 一緒に食べた中で最強は、 オーストラリアのホテルの部屋に置かれたクッキー。 わたしも甘いものは好きだけど、 ちょっと付いていけなかった。 激甘クッキーを頬張る顔は 幸せそのもの、だったっけ。

9年前と似たような予報の冬が来ます ⁄ 2023年11月24日 金曜日

  この冬は、とても寒いような気がします。

当初の長期予報では暖冬とも言われていましたけれど、

どうなのでしょう。

11月後半あたりから急激に寒くなってきたのが

こたえております。

ボクは暑さに弱いのですが、

寒さにもめっぽう弱いのです。



  寒さ対策として、

・膝掛け

・ゆたぽん(白元) “湯たんぽ”ではなく商品名です。

・貼るカイロ

・巻きスカート

と、まあできることは、いろいろと

試している次第でございます。

もちろん、どれもそれぞれに効果がありますので、

寒さが厳しくなるにつれて、身仕度に手間取るように

なって参ります。

ちなみにこの冬は、フル装備になるのが

早かったような気がしております。



  でも、ここまで書いてみて何なのですが、

結局のところ寒い時は

暖房で暖かくした室内をきちんと加湿して、

そこに籠ってしまうのが一番なのでございます。

これがボクにとっての一番の寒さ対策かもしれません。

 「今年もあと37日だよ、ああ年末は忙しくてイヤだ」
と、数えるのが好きなアキがぼやきそうな時期になった。

 アキはその後、電熱ベストなるものを知り、 ここ数年、愛用していた。 冬場は、暖かい部屋の中でもセーターの上に着る。 服にこだわりがないアキにしては、 バッテリー代も含めてちょっと高価なものだった。

 それまでカイロを膝掛けの間や背中に貼っていたが、 この背中というのが曲者だ。 お尻の除圧のために定期的に車いすの背もたれを倒して いたのだが、その時に背中にカイロが押し付けられる。 シャツ、ポロシャツ、チョッキの上に貼っていたのだけれど、 背中は低温やけどになってしまった。 感覚が鈍いので本人は気づかない。

 電熱ベストは背中のカイロの代わりにもなる。 使っていたベストは温度が3段階あって、 除圧の際には温度を下げた。

 介助のパートさんにもやっていただいていたのだが、 アキの胸元にあるボタンを押して温度を変えるのは、 正直に言って手間である。 バッテリーの充電もしなければならない。 でも、背中の痛々しい焼き印が消えていくのは感動的だったな。

そういえば、テレビっ子でした ⁄ 2023年11月8日 水曜日

  2年ぐらい前のことです。都心の病院に行った折り、

不忍池にほど近い蕎麦屋で昼食をとることにしました。

ボクたちは15年ほど前まで近所に住んでいたこともあり、

馴染みのお店です。蕎麦もつゆも絶品なので、近所に

行く用事がありますと、ついつい寄りたくなるのです。

店のご主人に

 「お久しぶりです」

などと挨拶をしつつ、ほどほどにお客さんがいる

店内へと入ると、いつもの席へと向かいます。

  注文を済ませてふと周りを見回しますと、

斜め前の席の数人のグループがなにやら賑やかな様子です。

どこかで見覚えのある方もいらっしゃいます。

ちらちらと拝見しておりますと、

落語家の三遊亭某氏とご家族かお知り合い同士のご一行と

いったところのようです。

この辺りは上野も近く、住まいを構える落語家さんも

いらっしゃると聞いてはいましたが、

遭遇するのは初めてです。

私はじろじろと見ていたつもりはないのです。

でも、気配をお感じになったのかもしれません、

その落語家さんと目が合ってしまいました。

慌てて目を逸らすのも変かなと思ったものですから、

にっこりと微笑みかけてみます。

するとさすがに向かうは芸人さん、微笑み返して下さいます。

まあ向こうの皆さんの間でも会話が再開し、

こちらは注文したニシン蕎麦が到着したので、

その場での“交流”はひとまずそこまで。

  少し時が経ち、ボクたちがゆっくりと

蕎麦を味わっておりますと、

落語家ご一行様のお食事は終わったようで、

会計を済ませてお帰りです。

ボクたちのいる席は出入り口付近なもので、

皆さんぞろぞろとボクの脇を通っていかれます。

例の落語家さんは、ボクと目を合わせてにこりとすると、

ボクの肩に軽く手を乗せ

 「またね」

と親しげな言葉を残して立ち去りかけます。

そこですかさずボクが

 「そこはマタじゃないです。肩ですよ」

なあんて返せれば、座布団の1枚ぐらいは

もらえたかもしれない機会だったわけですが、

残念ながら瞬発力の足りないボクは

 「じゃあまた」

と言うのが精一杯だったのでした。

この経験を生かす次の機会は、なかなかなさそうです。

 このとき一緒にお蕎麦をすすっていたのを思い出す。 噺家さんは帽子を被って地味な服装だったと思う。

 アキは有名人探知能力を持っていた。 ホテルのロビーで、空港で、街中で、 視力が良いから遠くても気付く。テレビっ子だったことも大いに関係あるのだろう。

 毎朝、新聞のテレビ欄と 「きょうの番組」の欄(なかテレビ欄と呼んでいた)だけは 熟読していた。

 好きなお笑い番組を見る時は、 さほど大きくないテレビ画面に 入ってしまいそうな勢いで見入る。 アキのベッドの上半身部分を起こし、 テレビを見ながら食事していた時のこと。 食事介助をしていると、 アキの口の動きが緩慢になり、 影が薄くなっていって、 ちょっと怖かったな。

こんなこともありました ⁄ 2023年10月30日 月曜日

ふと思い出しました。去年の今ごろ2013年6月に

「あうるすぽっと」(東池袋)で文学座の舞台を見てきたのでした。

『ガリレイの生涯』

本格的な見応えのある公演で、楽しかったことを思い出します。

原作はブレヒトの同名の戯曲。

ボクがとても感銘を受けた本のうちの一冊です。



ベルトルト=ブレヒト著・岩淵達治訳『ガリレイの生涯』(岩波文庫)



なかでも特に印象に残ってる場面。

第9場で、太陽黒点の研究を開始するときの

ガリレイの台詞を引用させて下さい。



「これから観察を始めようとする君たちに、

まず一切の期待を捨てろと言いたい。

ひょっとしたら、それは蒸気かもしれないし斑点かもしれない。

しかし、われわれはこちらに都合のよさそうな黒点と

仮定する前に、まずそれを魚の尾だと仮定してみようじゃないか。

そうだ、僕らは何でももういちど疑ってみようではないか。

一足で七マイルも行けるような魔法の靴で飛ぶように前進する

のではなく、蝸牛のようなゆっくりしたテンポで進もう。

そして今日発見したものも、明日はリストから消してしまい、

それをもう一度発見したとき、改めてまた書きこもうじゃないか。

われわれが自分で発見したいと望んでいたものをうまく見つけた

ときには、ことさら疑いをもって吟味しよう。」(岩淵訳)



多くのものに迅速さが求められる現代では

時代遅れと思われる方が多いのかもしれませんが、

ボクには研究者の不変の心得を

的確に言い表しているように思えてならないのです。

 2013年6月16日、日曜日の午後、 「あうるすぽっと」という劇場は二人とも初めてで、 待ちに待ったお芝居であり、 ワクワクして行ったのを覚えている。 わたしの日記での評は、 「演劇の内容はまあまあ、かな。 光る俳優さんもいらした」 と、アキの感想に比べて控えめになっている。

 その帰り道、夕食にたまたま入った池袋の居酒屋で、 お通しに一人400円も取られ、二人でショックを受けた。 お酒を飲むわけでないのに、 頼んでもないのに、 と、とても損をした気持ちになったものだ。 ここでは両者の意見は完全に一致していた。